耕作放棄地の茶畑を刈る~緩衝地帯づくりの第一歩と、カメラに映った3頭のシカ~
鳥獣害対策の取り組みの一つとして、緩衝地帯の形成を一つの課題にしています。今回はその第一歩として耕作放棄地の刈り取りを行いました。
今回作業したのは、以前は茶畑として使われていた土地です。
既にチャノキの上に蔦が広がり、見通しの悪い藪になっていました。
目指すのは、見通しを確保し、野生動物が潜みにくい環境をつくることですが、今回は刈り取ったあとにどのような変化があるのかと研究をする場所として利用させていただく予定です。

蔦に覆われた茶畑の中には、空間があった
外から見ると、チャノキと蔦が絡み合って密生しているように見えます。しかし、実際に中へ入ると、枝葉の下には空洞のような空間がありました。
人にとっては入りにくい藪でも、野生動物にとっては身を隠しながら移動したり、休んだりできる場所になっている可能性があります。
今回は、所有者の方からチャノキの伐採についても了承をいただき、草だけでなく、蔦やチャノキも含めて刈り進めました。

今回使った機械
作業では、次のマキタ製品を使用しました。
始めて充電式の刈払機を利用しましたが、出力は全く問題ありませんでした。
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今回の現場では直径が2~4㎝のチャノキや蔦を伐採するためにフルスロットルで回しました。そのため、バッテリー2個でおおむね1時間程度の作業しかできませんでした。
ただ、藪の中で蔦や枝を相手にする作業は、体力を使います。
私にとっては、1時間ほどで「今日はここまで」と区切れることが、無理なく作業を続けるうえで都合が良かった点です。
また、混合燃料を用意せずに作業を始められる点やバッテリーを入れてすぐ始められる点も、短時間ずつ進める今回の使い方ではとても便利に感じました。
1日約1時間、5日間かけて少しずつ
初日は外側から刈り始め、まず作業できる空間を確保。
2日目以降は少しずつ内部へ進み、絡みついた蔦やチャノキを処理していきました。
3日目ごろには奥まで見通せるようになり、藪に隠れていた土地の形が分かるようになってきました。
4日目、5日目と進めるうちに、上を覆っていた蔦や枝葉もかなり減りました。
合計でおおむね1時間×5日。ひとまず見通しは改善しましたが、これで管理が終わったわけではありません。
地面付近には蔦や根が残っています。
今後も少しずつ刈り、動物が隠れにくい状態を維持できるかを見ていく予定です。
写真で見る、5日間の変化








刈り取り後のカメラに、3頭のシカ
ある程度刈り取りが進んだところで、センサーカメラを設置しました。
すると、さっそく3頭のシカが確認されました。
刈った後の草などを食べに来たのか、刈り取った草の下にある草を食べに来たのか。
今回の映像だけでは、訪れた理由までは分かりません。
また、シカが映ったことだけで、刈り取りによってシカが増えた、あるいは対策に効果がなかったと判断することもできません。
まず確認できたのは、「刈り取り後も、この場所をシカが利用している」ということです。引き続きカメラで記録し、管理を続ける中で利用の様子がどう変わるかを観察します。
刈って終わりではなく、その後も見ていく
今回の作業で、藪になっていた茶畑の見通しは改善しました。
一方、鳥獣害対策としての効果を判断するには、その後の観察と継続的な管理が必要です。
草木の再生やシカの利用状況を確認しながら、無理なく維持できる方法を探っていきます。耕作放棄地の管理とカメラによる記録を重ね、現場で分かったことを引き続き発信していきます。
本記事は、けもの相談所のnote掲載記事「耕作放棄地の茶畑を刈る~緩衝地帯づくりの第一歩と現れたシカ」をもとに、ブログ向けに再構成しました。

