鳥獣被害は、捕獲だけでなく「入れない」「誘わない」「慣らさない」を組み合わせて対策します。
被害原因を残したまま捕獲だけを行うと、別の個体が再び入ることがあります。
4つの基本
入れない
「入れない」は、家屋の侵入口や農地の防護柵の弱点をなくし、動物が被害場所へ到達できない状態をつくる対策です。
家屋の場合
- 屋根、軒下、戸袋、換気口、基礎、配管まわりを確認する
- 泥、体毛、足跡、擦れ跡がある場所を探す
- 動物が残っていないことを確認してから閉塞する
- かじられたり押し広げられたりしにくい材料を使用する
農地の場合
- 柵の下部、角、斜面側、出入口を重点的に確認する
- 地面の凹凸や水路との交差部分を補修する
- 電気柵は草の接触、電圧、漏電、設置高さを確認する
- 倒木、積雪、増水、作業後の開放状態を確認する
侵入地点が分からない場合は、足跡、被害の始点、センサーカメラなどから侵入方向を絞ります。
誘わない
野生動物にとって食べ物や安全な隠れ場所になるものを減らし、住宅地や農地へ近づく理由をなくします。
餌になるもの
- 収穫残さ、落果、廃棄野菜、放任果樹
- 生ごみ、コンポスト、ごみ集積所
- ペットフード、家畜飼料、餌皿
- 意図的な餌やり
隠れ場所になるもの
- 住宅や農地の周囲の藪
- 資材置場、廃材、使っていない物置
- 空き家、床下、建物の隙間
- 林縁と農地の間の見通しが悪い場所
餌になるものは、動物に与える意図がなくても誘引物になります。
地域内で繰り返し出没する場合は、周辺を含めて確認します。
慣らさない
野生動物が人や住宅地を「安全で、餌が得られる場所」と学習すると、出没が繰り返されやすくなります。
避けたい対応
- 餌を与える
- ごみやペットフードを放置する
- 近距離で撮影するために接近する
- 子どもやペットを近づける
- 危険な動物を刺激したり追い詰めたりする
地域で行うこと
- 出没日時、場所、進行方向を共有する
- ごみ、落果、放任果樹などの誘引物を減らす
- 藪や見通しの悪い場所を管理する
- 危険性が高い動物は行政や警察へ連絡する
追い払いは動物種や場所によって危険を伴います。特にクマなど人身危険がある動物へ、個人判断で接近しないでください。
捕獲
捕獲は鳥獣被害対策の一つですが、相談を受けた時点で捕獲を約束するものではありません。
被害状況、対象種、場所、他の対策、安全性、法令上の手続きを確認します。
捕獲前に確認すること
- 被害を起こしている動物種が確認できているか
- 侵入口や誘引物など、被害原因への対策を行ったか
- 捕獲場所の所有者・管理者の承諾があるか
- 人、ペット、第三者への安全対策が取れるか
- 捕獲後の取扱いと対応体制が整理されているか
許可・資格
野生鳥獣の捕獲は、狩猟として適法に行う場合などを除き、原則として許可が必要です。
対象種、場所、時期、方法によって必要な許可や資格、申請先が異なります。
捕獲を検討する場合は、実施前に自治体または所管機関へ確認してください。
無許可で捕獲器を設置したり、動物を捕まえたりしないでください。
捕獲だけで終わらせない
餌、侵入口、安全な隠れ場所が残っていれば、別の個体が入る可能性があります。
捕獲を行う場合も、「入れない」「誘わない」「慣らさない」を組み合わせます。
最初に整理すること
- どこで、いつ、何が起きているか
- 動物種を示す痕跡があるか
- 侵入口や侵入方向はどこか
- 餌や隠れ場所になるものがあるか
- 既に行った対策は何か
- 対策後に被害がどう変化したか
すべてを一度に行う必要はありません。
被害を継続させている原因から優先して対処します。
被害の場所から詳しい対策へ
- 家屋への侵入:天井裏や床下など、建物内の被害を確認したい場合
- 農地・果樹への被害:作物の被害や防護柵の状況を整理したい場合
- 生活環境への被害:庭、ごみ集積所、住宅地などで困っている場合
- 痕跡から調べる:動物種が分からず、写真や痕跡から相談したい場合
対策を行った後の見直し
対策を行った日、場所、変更した内容を記録し、その後に新しい被害があったかを確認します。
前から残っている被害と、新たに起きた被害を分けると、変化を比較しやすくなります。
被害が続く場合は、場所・頻度・被害の内容がどう変わったかを、これまでの対策と一緒にお知らせください。
判断に迷う場合は、相談の方法の記入例を使って状況をまとめられます。